”言葉にする”って、難しい!

今回は5月16日(月)の5年生の算数「比例」の学習から。

変化している2つの量が比例しているかどうかを判断する学習です。5年生での学習はそこまでですが、もう少し踏み込んで5年生の子どもたちの知的好奇心をくすぐっています。

金曜日からの続きの授業。変化する2つの量を式に表しました。その後、それぞれが出した式を説明をしようとしましたが、これがなかなか難しい!

イメージしていることがなかなか言葉にできない! 友達の説明の中で、言葉は分かっても、なかなかイメージできない! 子どもたちの姿からは、もどかしさを感じている様子が伺えました。

そんなもどかしさを感じながらも子どもたちは、必死にイメージを言葉にして友達に説明しよう、友達の言葉を必死で聞いて理解しようとしていました。その姿は微笑ましくもあり、また、たくましくもありました。またそこには、友達に伝えたい、友達の言っていることを理解したい、と言った子どもたちの中で信頼関係があるということが分かります。

さて、この何とか言葉にしようとする行為、分かろうとする行為はとても大切です。もどかしいというジレンマを含むこういった経験が言語力を伸ばしていくことに大きく関係していくように思えます。言語力とは「言葉を用いて思考し、その思考した内容を正確に伝達すること」(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)です。英語であっても日本語であっても、この言語力がなければ自分で考え、それを伝えることができません。つまり、いくら英語や日本が話せても、中身のない形だけの言葉になってしまいます。

今回の5年生のジレンマは、自分の考えを具体化し言語化する、そして伝える。ということだけでなく、相手(友達)の言いたいこと、つまり意図を理解しようとする行為が含まれます。

言葉を介して私たちは他者との意思疎通を行いますが、自分自身の中の思考もこの言語を介して行っています。イメージしたことを言語化する。また、言語を基にイメージを広げることは、思考を表現したり理解するだけでなく、思考そのものをより深く、また、確かなものにしていくことになると考えます。

これからも子どもたちの思考をゆさぶりながら、言語力を高め、より深く高い思考力を養っていきたいと思います。