第29回 在オランダ日本人合同運動会

 6月10日(土)に開催された今年度の運動会は、昨年と同様天候に恵まれ、無事終えることができました。今年度も、多くの保護者の方々のご協力を頂きありがとうございました。

開会式

 今年度は、オランダ国内全土から600名近くの児童生徒が集まりました。それぞれの保護者の方々を入れると優に1500人を超える人たちが集っていたようです。

 スローガンは 「楽しもう! 手に汗にぎる みんなが主役 運動会」、そのスローガン通り、どの競技もみんな真剣そのものでした。

 JSRの皆さんも、各競技はもちろんのこと、彩でも練習の成果をしっかりと出し切っていたのではないかと思います。大変良い演技でした。また今年度は、競技だけでなく応援の場でもその力を発揮していたようです。今年一番応援で盛り上がっていたのは、オレンジTシャツ(JSR)と隣の緑Tシャツ(ハーグ・ロッテ補習校)でした。中学生が率先して盛り上げて、JSRのみんなの一体感を感じる応援でした。きっと競技をする友達の力になってことでしょう。

 そして、今年度はJSRが所属する赤組が優勝!!みんなが力を合わせた結果です。

 暑い中でしたが、みんなが力を出し切り、楽しむことができた運動会でした。

2023年6月13日 | カテゴリー : 学校行事 | 投稿者 : moronaga

JSRの教育活動の出発点 その2

 前回の続きになります。行事に向けての取り組み方はもちろんですが、来る社会に向け、日々の授業や学校生活の中での取組、活動、学び方も、子ども達に付けたい力を確認しながら計画しています。

 小学校中学年の国語で学ぶ説明文風にしています。

Society5.0

 「Society5.0」という言葉、一度は耳にされたことがある方も多いかと思います。馴染みがあるかと言えば、「ない」と答える方が多いでしょう。

 「Society5.0」とは、日本政府が提唱する、目指す次世代の社会の仕組みや姿になります。また、2020年度より小学校で、2021年度より中学校で本格実施となった「新学習指導要領」の改訂にも大きな影響を与えています。

 この言葉には「5.0」という数字があります。「5.0」な訳ですから、「Society1.0」もある訳です。しかし、「Society1.0」や「Society2.0」といった言葉がもともとあったわけではありません。では、この「Society5.0」とはどういう意味で何を目指しているのでしょうか。そして、新しい社会がどのようなものか、私たちはどのような準備をしていけばよいのでしょうか。

 「Society5.0」とは、内閣府のホームページによると次のようになります。「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)を指す。」(一部抜粋)はっきり言って、分かるような、分からないような感じです。

 まずは、数字の部分を考えていきましょう。「5.0」とあるということは、「1.0」「2.0」がある訳であり、それが「5.0」まで続くわけです。同じく内閣府のホームページには次のように分けられています。

Society 1.0 狩猟社会

Society 2.0 農耕社会

Society 3.0 工業社会

Society 4.0 情報社会

 それぞれの社会変化には数千年から数百年の間がありましたが、その間隔は少しずつ短くなってきています。狩猟社会から農耕社会への変化には1万年以上もの時間経過がありますが、工業社会から情報社会の変化には200年ほどしか時間は経過していません。つまり、今のSociety4.0の情報社会からSociety5.0まではそれほどの時間はかからないことが考えられます。今後、急速な変化が予想されるということです。

 では、Society5.0「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)を指す。」社会とは、どのような社会なのか。具体的にはなかなか言い表せないというのが現実です。実際にどのような社会になるのか、予測不能です。今の私たちには考えもつかないような社会変革が訪れてくることでしょう。

 そのような中、近年よく言われているのが、近い将来、または、今の子どもたちが大人になった時、今存在する職業の何割かは存在しなくなるということです。具体的には銀行の融資担当者、レジ係、保険の審査担当者、ホテルの受付、データ入力者、機械機器のオペレータ等は、進化するAIによって、人間からAIにとって代わるということです。

 技術の発達、発展によって、今までにも消滅した、また、消滅しつつある職業はありました。多くの女の子たちのあこがれだったと言われていた「バスの車掌」は、もうはるか昔の職業です。また、ここ2~30年で大きくその役割を失ったと言えるのはタイピストです。このように、これまでの記述革新によって社会が大きく変化したように、今後、AIの台頭によって、私たちの未来は大きく、また、急速に変化しようとしているのです。

 

 このような劇的な変化が予想される「Society5.0」は、少しずつ、そして、確実に訪れています。今までの常識さえ通用しなくなるかもしれませんし、私たち大人が経験してきたことも十分に生かすことができないかもしれません。必要なのは、多様な人々の想像力と創造力になります。ですから、近い将来、今の子どもたちは、自分自身の力(想像力と創造力)でその変化に対応し、しっかりと社会を支えていかなければなりません。一人一人が自らの力で、それらの変化や課題に立ち向かい、様々な人たちと関わり合い、話し合い、意見を交流し合いながら、解決し、よりよく生きようとようとすること、その力を付けていくことが必要だと言えるのです。

JSRの教育活動の出発点  その1

1年生では「じどうしゃくらべ」という説明文を勉強します。自動車の働きと作りがそれぞれ対応して説明されており、読み取るだけでなく教科書のような文体、構成、形式で書く学習もしていきます。

 中学年からは、「はじめ・中・終わり」の三段階となる文章が説明文では主になってきます。そして、最初の段落で、疑問文による読者への問いかけ(疑問)があります。「~なのでしょうか。」といった文章です。これは読者(読み手)への問いかけであり、この一文のおかげで筆者(物語文の場合は「作者」となります)の読み手に考えてほしいことや、この文章で伝えたいことがよく分かります。また、話題提示という形もあり、筆者の考えや疑問を読み取ることもあります。

 また、結論(考え)を先に書き出す文もあります。その後、その結論に至った理由や過程、説明が入り、最後にもう一度、結論が書かれます。

太鼓「マース河」練習  先輩から後輩へ継承される技術

 文章の構成だけでなく、事実のみが書かれている場合、筆者の意見が織り交ぜられている場合など、高学年に進むにつれ、より高度な内容になってきます。説明文に限らず、文章をより深く理解するために大切にしたいのは、文章を何度も読むことです。音読の宿題がよく出されるのがそのためです。しっかりと文章を理解するためには大切な宿題だと考えがあってのことです。

 国語は同じような学びを繰り返しながら、発達段階に応じて少しずつ高度な内容を勉強し積み上げていきます。スパイラル的な積み上げ方となります。繰り返し音読を毎日聞くのは、大変なことだと思いますが、ご家庭での学習が成長の大きな土台となりますので、これからもどうぞよろしくお願いします。

 算数も繰り返しの学習ですが、国語のスパイラル型とは違い1年生の学習の上に2年生の学習を積み上げていくピラミット型とイメージしていただ蹴るのではないかと思います。ですから、学んだことをしっかりと理解し、活用できることが大切です。そのためにも毎日の宿題を含む練習は欠かせません。音読と併せて算数の方もしっかりと身に付けさせていきたいです。

小学部3年生 ブカレスト日本人学校との遠隔共同授業

 さて、小学校は2020年度から、中学校では2021年度から新学習指導要領での学習が始まりました。テレビ等で盛んに言われていましたので、今更説明する必要もないかと思います。しかし、現行の学習指導要領について、また、改定の背景にある社会情勢について知っていただくことが、JSRの目指している教育活動を理解していただく、応援していただくことにつながるかと思います。なぜなら本校独自の教育プログラム「ロッテスタイル」と大きくかかわってくるからです。

 今回の改訂で大きく変わった点はいくつかあります。具体的には5・6年生の外国語科や、3・4年生の外国語活動の新設などがその一例です。とはいえ、今までの学習内容が大きく変わったり、音読の宿題がなくなったりするようなことはありません。スマホが身近にあるからと言って辞書のひき方を勉強しなくなるという訳でもありませんし、漢字も練習します。九九もしっかりと覚えられるようにしていきます。説明文も物語文も分数や求積問題も学習しています。

 では、外国語新設以外に何が変わったのか、それは、新学習指導要領改訂にかかわる背景を理解していただくと読み取れるのではないかと思います。また同時に、本校の教育活動の特徴も理解していただくことに繋がっていくかと思います。

 そこで、次回、読み手への問いかけのある説明文(小学校中学年)風に、この背景について紹介したいと思います。

小学部1~4年「彩」  自分たちで教え、確認し合いながらの練習風景

5月23日 業間休み

 毎週火曜日は音楽の授業のため、5・6年生の業間休みが少し前倒しになります。

 お隣のNAISR(インターナショナルスクール)と時間を調整し、お互いの休み時間が一緒にならないようにしていますが、火曜日の5・6年生の業間休みは時間がかち合ってしまいます。

 そんな時は・・・

 今日はいい天気でしたのでNAISRの児童たちも大勢遊んでいましたし、お互いが違うボールを追うというもの危ないことなので、一緒にチームを作って遊んでいました。

 小さな交流ですが、このような交わりが毎日の生活の中でできるのもJSRならではです。

2023年5月24日 | カテゴリー : 小学部 | 投稿者 : moronaga

中学部1年 社会科の授業

 中学部1年の社会科の授業では世界の様々な生活と環境について学習しています。

 その学習の一つとして、ドンジャラ風のゲームを楽しんでいます。

その名は・・・まだありません。復習のために今年度はじめに中学部2年生が作ったものです。

担当の先生と3人で楽しんでいます。

 

 パイは45個。それぞれに世界の国の名前や有名な風景や建造物、食べ物などが書かれており、「熱帯」「温帯」「乾燥帯」「寒帯」「高山帯」に分かれています。

  同じ気候帯3枚を3種類集めると、上がり!となります。また、麻雀の「役」のように「食べ物」や「風景・建造物」もそろえると、点数が上がるようです。

 さて今日の勝者は誰でしょう?

 

2023年5月23日 | カテゴリー : 中学部 | 投稿者 : moronaga

移動教室説明会

 JSRでは、隔年で修学旅行と移動教室(ロッジで宿泊し、自分たちで食事を作り、普段体験できない体験活動を行う活動)を行っています。

 今年は移動教室の年。2泊3日で計画をしています。

 今日は参加学年の保護者の方々を対象に説明会を持ちました。ご参加いただきました保護者の皆様、お忙しい中ありがとうございました。

 移動教室まではあと1か月と少し。それまでには運動会やジャパンエスティバル参加、中学部では中間考査となかなかの忙しさとなっています。

 そんな忙しい中でもしっかりと活動計画を立て、思い出深い教室となるようにしていきたいと思っています。

2023年5月23日 | カテゴリー : 学校行事 | 投稿者 : moronaga

5月17日 今日のJSR

 お隣のNAISR(インターナショナルスクール)では、今日は「パジャマ・ディ」だそうで、朝からパジャマ姿の子ども達が、手にぬいぐるみ(寝る時に抱いたりしている物も、もってきてもOKなのだそうです)やアイマスク等をもって登校していました。

 いつもとは違う雰囲気で登校するのは、子ども達にとっては嬉しいことのようです。

 もちろんパジャマ姿が嫌なら普通の服でOKです(学年が上がるにつれ、普段着の子ども達が目立ちます。パジャマを着てこないからといって、誰かに何かを言われることはないようです。

 さて、今日の朝は、今年度第1回目の「ふれあいタイム」がありました。ふれあい委員会が主催する、全校遊びの時間です。

 今日の遊びは「ころがしドッジ」でした。四方を囲まれた内野にいる友達に、外野にいる人たちが外からボールを転がし、当たると外野に、当てると内野に移動していくというゲームです。

 まずはボール1個から。ボール1個だけなら余裕でよけることができるのですが、時間が経つにつれボールが2個、3個。最終的には4個にまで増え、小学生だけでなく中学生も大変盛り上がりました。

 昨年度までは、1か月に1度、第1月曜日の1時間目に、全校集会とセットでこの「ふれあいタイム」を行っていましたが、今年度から集会とは別に、始業前の8時35分から隔週、もしくは1か月に1度の間隔で行っていく予定です。

5月16日 今日のJSR

 小学部3年生は、社会科の勉強で町探検に出かけました。

 2年生の時に行ったことのあるベートーベン商店街でどのような店があるのかを確認しながら、大きく一周するコースをたどりました。

 ベートーベン商店街にはいろいろな店がありました。

 今回の探検の目的は、

 ①方位磁針を使って地図を見ながら歩く。

 ②ベートーベン商店街にある店を調べる。(地図作りに生かす)

 ③交流を続けているヒルデガルド校の場所とその横にある建物を確認する。

 (おまけの④ 閉店したという噂のスーパーマーケットの今の様子を確認する)

                                 でした。

 写真を撮りながら、メモを取りながら、出会った人に挨拶をしながら、・・・・・・と忙しい活動となりましたが、天候にも恵まれ、また、多くの人達に挨拶をしてもらうなど、貴重な経験をする機会とにすることもできました。

無事、学校到着!!

 来週は、今日の活動を活かし、自分たちで考えた地図記号を入れた学校の周りの地図を作っていきます。

2023年5月16日 | カテゴリー : 小学部 | 投稿者 : moronaga

英語って難しい!?

 早期の語学教育が大切で有効と聞きますが、言語の習得に関しては、子どもより母語をしっかりと使いこなせる大人の方が速いと言われています。なぜなら人それぞれではありますが、年齢に応じた語彙力があり、母語の語彙の裏付けにより、より多くの単語を理解・習得ができ、また、理論的に文法を理解するため作文もできるのだそうです。

2023年4月27日キングスティ当日 エラスムス橋を背景に

 もちろん、ここで言う言語の習得の速さは、「流暢に話すことができるようにもなる」ことを、意味するわけではありません。

 日本人としては「流暢さ」もそうですが「発音」も気になるところです。スムーズなコミュニケーションには「流暢さ」や「発音」が大切かのように思っているところもあります。しかし、ヨーロッパで一番、140以上の国と地域から移民を受け入れている多国籍都市ロッテルダムにいると、「流暢さ」や「発音」の大切をあまり感じないというのが正直なところです。「何が言いたいのか」といった自分の「意志」「意見」「考え」が一番大切だと思わされます。また、個人の「ユニークさ」も大きな魅力となり、コミュニケーションを取りやすくします。

2022年6月22日 現地校「ヒルデガルド校」との交流

 小さな時から日本語と英語に触れていればバイリンガルになれるのかと言うと、そんなに簡単ではないのではないでしょうか。しゃべることができても書けなかったり読めなかったりするようです。やはり、時間と努力がある程度必要ではないでしょうか。日本人の私たちが、日本語(国語)を学校で何年も勉強するんですから、日本語を母語とする私たちも、日本語習得に時間と努力が必要です。

 小さな時期の言語獲得の様子を見ていると、それぞれの言葉に対しての対応(Replay)になります。そこから思考へと言語を発達させる必要があります。そこに学校の国語教育があります。日本人として当たり前に日本語を話している私たちは、その発達過程を無視しがちです。

2022年12月12日 オリボーレン・レッスン

 そんなことを言っても、やはり小さな時から色々な言語に慣れ親しむというのは、とても大切なことのようです。

 戦前戦中に幼少期を過ごした日本人と戦後以後に幼少期を過ごした日本人では、Tの発音が大きく変わると聞いたことがあります。「テー」と「ティ」です。これは「ティ」の発音が戦後に日本語の中に一般化されてきたからなのだとか。

 いろいろな意見や研究があるかと思いますが、一般的に幼少期終わり(12歳)が耳の機能が一番高いのだそうです。それぐらいまでに聞いた音は頭にインプットされ音として記憶される。記憶されている音は発音できやすいそうです。それ以降となると、耳の機能が衰えてきて聞き取れないためインプットされない。インプットされていない音を発音するのは大変難しいのだそうです。

 先にも書きましたが、色々な意見や研究があり様々な見方がありますが、確かに、戦前生まれの私の母親は、Tを「テぃ」と発音できません。「ティ」の発音できないところを見ると、あながち間違った説ではないのではないかと思っています。

 日本人の英語力が低いと言われているのは、日本人の持つ性格であったり、学校の英語教育(完璧主義)によるところもあるかもしれません。しかし、それ以上に文化背景も関係しないという訳ではないと思います(これに関してはまた、どこかでお話します)。とにかく(「とにかく」という名の日本人コメディアンが今英国で話題なんだそうですね。彼の英語での受け答えにはセンスの良さが感じられるという人もいます)、JSRでは英語だけでなく日本語もたくさん聞く、たくさん話す・伝える場を作り、言語活動を活発にしていきます。

2022年7月5日 ハーリング・レッスン

Happy Friday! 

 金曜日の朝の挨拶は「Happy Friday!」

 これは、隣のNAISR(インターナショナルスクール)の子ども達と先生との挨拶です。

 今日は金曜日です。JSRでは明後日の日曜日に授業参観と学級懇談会、PTA総会を予定していますので、ちょっと短い週末になります。

 ですからJSRの子ども達にとってそれほど「Happy Friday」という気持ちはないかもしれません・・・。

 今日の中学部3年の英語の授業です。まだもう少し先の話ですが、しかしそれでも、卒業後の進路に向けて真剣な毎日を送っています。

 授業の初めに担当の先生にによる英語勉強術伝達がありました。先生によると、勉強のやり方を少し変えると成績がグンと伸びることも往々にしてあるのだとか。

 いろいろな勉強法がありますが、それぞれにそれぞれの方法がありますので、自分に合った勉強法を速い段階で見つけられると良いかと思います。

DSC_0184

 JSRでは、今年は週に3回の英会話の時間を設定しています。また、中学部では英会話担当教員との昼食会も週に1度設定しています(この時間は中学部の生徒も楽しみにしているようです)。小学部では英会話の時間の他に英語を学ぶ時間もそれぞれの学年に応じて時間を設けています。

 使える英語を習得するためには、使う必要性とその場所の設定も大切です。今年は昨年以上に「英語を話す必要」のある場の設定を設けていきたいと考えています。

2023年5月12日 | カテゴリー : 中学部 | 投稿者 : moronaga