p4cをご存じでしょうか。「philosophy for children(子供のための哲学)」 の略語です。
哲学というと難しく感じますが、哲学的思考を教育活動にも取り入れようと、ハワイから日本へ伝わってきた手法です。
今年度中学部では道徳の時間を中心に、このp4cによる対話を取り入れています。どのように行うかというと、
①みんなで考えてみたい問いを決める。
②考えたい問いについてみんなで円になって話し合い、考える。
③考えたことについて振り返る。
といシンプルなものです。
話すときにはルールがあります。Warm Heartにも通じていますね。
コミュニティーボールを使います(第1回目にみんなで毛糸を巻きながら作りました)。
JSRではロッテスタイル(イエナプラン+令和型日本教育)を取り入れています。イエナプランにもあるサークル対話と似ていますが、「自分たちで考えたい問いを決めて、自分たちで話し合う」ことがポイントです。生徒たちがもつ視点には、大人でも驚くものや鋭いものもあります。(押し付けられたものではない)自分たちで考えたい問いだからこそ、あれこれと意見を伝えて、相手の意見を聞いて、深く考えることができます。哲学そのものです。
中学部では道徳の時間に行っています。
先生たちもここでは一参加者です。大人なりの意見をもって参加します。だからこそ、生徒たちも「一般的に良いとされること」に囚われずに自由に意見を伝えます。
p4cでは考えを伝えることだけが大切ではありません。意見を伝えなくても、出た意見に耳を傾けてじっくり考えることも必要です。「話し・聞き・考える」
それでも、話し合いを深めていくために、WRAITECという7つの質問を使い分ける場面も出てきます。
•What/Mean?(意味)= それって何?
•Reason?(理由) = なぜ?
•Assumption?(前提)= そもそも?
•Implication?(推測、連想) = ~なのではないか?
•True?(真実) = 本当なの?
•Example?(例示) = 例えば?
•Counter-example(反例)= こんな場合は?
話し合いをしていくとテーマからはずれて思わぬ方向へ向かうこともありますが、それでも構いません。大事なのは、「参加者がじっくり考えることができたか」です。
今回のp4cでは風刺画をもとに一人一人が考えたい問いを複数作っていました。。
平等と公正どちらがいいの? スマホは悪いもの? スマホにどれほど支配されているの?
どこまで夢を追いかければいいの? ・・・などなど。
生徒の投票の結果、「どこまで夢を追いかければいいの?」を考えることになりました。
話し合いの中で、人との違いを明確に感じることがたくさんあります。相手の意見をまずは受け入れて自分の中で考えてみる。そして改めて考えたことをわかりやすく伝えてみる。そんな力が育つといいです。そして他者理解、異文化理解の中でWarm Heartを育んでいけたらと思います。
「夢はどこまで追いかければいいの?」
p4cでは結論は出しません。皆さんはどうお考えになりますか。
ぜひ話題にしてみてください。