まず始めにA4紙とペンをご用意ください。
以下の指示通りに書いてみてください。
「四角を書いてください。その上に小さな〇と大きな〇を書いてください。」
「大きな〇の下と小さな〇の上をくっつけてください。」
「四角の左上らへんから大きな〇の左の横にくっつく線を書いてください。」
「四角の右上らへんから大きな〇の右の横にくっつく線を書いてください。」
「最初に書いた線と同じところから今度は大きな〇の真ん中を通る線を書いてください」
さてどんな絵(図)が描けたでしょうか。
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写真と同じサイズ、形で書けたでしょうか。
「一方的に伝えた」ので正確に書けた人はまずいないでしょう。
生徒も四苦八苦しながら「伝えよう」としていました。
※最初は「一方的に伝えてみましょう」とルールを課しました。
この活動の根底には「伝えることの難しさ」があります。「伝えたい図形」を「伝えたい思い」とします。思いは相手には見えません。だからまずは言葉で自分の思いを伝えます。自分の「思い(図形)」を「正確に」相手に「伝える」ために言葉を選んで一生懸命に伝えようとします。
しかし、思いを伝えたい相手は自分の思っていることを「正確に」つかんでくれません。
これはコミュニケーションにおいてよく起こることですよね。
そして思いを汲んでくれないと、伝えている側もイライラして怒ったり、受け手側も相手が何を伝えようとしているのかがわからなくなり、ときに言い合いや喧嘩になったり、そして築き上げてきた関係が崩れてしまいます。
何が原因なのかをこの授業で考えました。言い換えると「どうしたら自分の思いが相手に伝わるのか」
生徒たちの考えでは
・「相手の立場になる」→相手は何がわかっているのか?なにが理解できていないのか?
・「(受け手側が)質問する」→「これでいい?」「こういうこと?」
・「伝えている側が)確認する」→「どこがわからない?」「少し見せて」
このやり取り自体がコミュニケーションの根幹であると思います。何かと効率よく済まそうとしてしまう世の中ですが、相手がいる場合、一方的に伝えるのではなく相手の立場を考えながら伝えたり、受け手側も相手の思いを「汲み取ろう」とコミュニケーションをとることの大切さを生徒たちは学んでいました。